マイクロプロセッサ

マイクロプロセッサ市場は、2022 年までに 840 億米ドルに達する見通しです。この要因は、モバイルおよびクラウド分野での継続的な勢いに加えて、AI ベースのコンピューティングと 5G コネクティビティの急増が予測されていることです。

低コスト、低消費電力で、かつ高性能を求める需要によって引き続き技術革新が進んでいます。この需要に応えるため、先進の FinFET ロジック技術の微細化計画が加速しています。TSMC の 7 nm 技術ではすでに量産が開始されており、待望の Intel 10 nm および Samsung 8 nm LPP 技術もすぐそこまで来ています。どのファウンドリが密度面での主導権を握るかについても、関心が寄せられるでしょう。

電源管理

電源管理 IC は、電力の流量と方向を制御するソリッドステートデバイスで、DC/DC 変換、バッテリー充電、電源選択、電圧スケーリング、電源シーケンシングといった多様な種類があります。低消費電力で高集積のマイクロプロセッサ プラットフォームを提供するため、携帯型メディアプレーヤーや携帯電話で広く使用されています。自動車、医療器具、民生用電子機器、工業用などの多数の分野で需要が急増しています。2016 年の市場規模が 402.1 億ドルであった電源管理 IC (PMIC) 市場は、2023 年までに 613.3 億ドルに達すると予想されており、2017 年から 2023 年の CAGR (年平均成長率) は 6.4% になる見通しです。市場プレーヤーは、変換効率の向上、ソリューションサイズの小型化、優れた放熱など、設計上の技術革新に注力しており、ますます複雑な集積プロセスがマルチパワー SoC に使用されると予想されます。

クリーンテクノロジー

クリーンテクノロジーとは、大幅な電力効率の改善、持続可能な資源利用、環境保護活動を通じて、環境への悪影響を抑えた全てのプロセス、製品、サービスを指します。過去 10 年にわたってクリーンテクノロジーに対する需要は大きく拡大しており、市場は十億ドル規模に達しています。これらの市場は現在も大幅な成長を続けています。クリーンテクノロジー市場の拡大は、技術の進歩、資源の制約、経済的なトレンドが重なった結果といえ、クリーンテクノロジーには持続的な成長が見込まれています。テックインサイツには、太陽光発電、スマートグリッド、バッテリー、低消費電力照明を含むクリーンテクノロジー分野で幅広い実績があります。例を挙げると、産業用太陽電池パネルの構築技術やハイブリッド/電気自動車の設計上の意思決定に関する解析、LED 製造において侵害証拠を示すための詳細な解析などを行ってきています。

アンテナスイッチモジュール

アンテナスイッチモジュール (ASM) は、スマートフォンやその他のネットワーク接続ワイヤレス機器の通信関連機能をサポートします。マルチバンドネットワークに接続されたワイヤレス機器をサポートするのは ASM です。ASM により、LTE (Long-Term Evolution)、CDMA (Code-Division Multiple Access)、UMTS (Universal Mobile Telecommunications Service)、EDGE (Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GSM (Global System for Mobile Communications) のいずれか 1 つ以上のアンテナから送信される個別周波数帯のそれぞれの送受信経路が結合されます。小型パッケージのアンテナスイッチモジュールには、低音同時焼成セラミック (LTCC) 技術を使用して、大電力対応スイッチと GSMーLPF などの受動機能回路が統合されています。

モバイルデバイス

2007 年に発売された初代 iPhone がスマートフォン時代の先駆けとなって以来、モバイルデバイスは半導体および技術革新を推進する中心的なビジネス要因です。携帯電話の出荷台数は、2018 年だけで数十億台に上ります。数多くのメーカーがハンドセットを製造していますが、現在収益力があるのは、Apple、Samsung、Huawei のみで、これら 3 社が売上台数でも上位 3 位までを占めています。

メーカー各社は、新しい規格 (5G など)、キャリアアグリゲーション、マルチモード携帯電話に加えて、帯域幅、機能性、低消費電力に対する消費者の飽くなき要求がもたらす複雑さに直面しています。

アナログ

アナログ IC はその大半がデジタルチップに取って代わられましたが、引き続き使用されているものもあります。電源 IC は通常アナログチップで、電源システムで広く使用されています。2 端子半導体であるダイオードは、交流 (AC) から直流 (DC) への変換や整流を行います。各種の電圧レギュレータがリップルのないクリーンな DC を生成し、DC 電圧レベルを高精度で維持します。電圧レギュレータがない場合、DC 負荷電流の変動によって電源の出力電圧も変動します。クリーンな DC 電力を供給する電源は、エンターテインメントシステム、工業用機器、コンピュータなどの、住宅用/業務用機器にとって非常に重要です。

アナログ IC は現在もなお広帯域信号で必要とされており、センサーとしても使用されています。アナログチップでは、回路内の特定箇所において電圧および電流が絶えず変動します。一般に、アナログチップにはトランジスタと、インダクタ、コンデンサ、抵抗などの受動素子が含まれています。アナログチップは、ノイズや小さな電圧変動を引き起こしやすく、エラーにつながる可能性があります。

IoT

IoT 市場の今後については楽観的な展望が示されています。Forbes は、2021 年には市場規模が 5,200 億ドルに倍増すると予測しており、ほかにも 2024 年までに 6 兆 5,000 億ドル規模まで伸びるという予想も示されています。世界中でインターネットに接続されるデバイスは 2020 年までに 80 億台に上るとみられ、IoT デバイスは私たちの生活を変えようとしています。同時に、既存のハイテク巨大企業からスタートアップ企業まで、あらゆる層に非常に大きなチャンスがもたらされつつあります。

IoT の急成長により、インターネット接続技術を組み込むほぼ全ての業界で、自動化社会への移行準備が整いつつあります。住宅、自動車、ウェアラブル機器、医療機器、都市、公共施設における技術の発展とともに、私たちの日常生活も進歩します。あらゆるモノがインターネットに接続されて相互に情報を通信し、私たちに関するデータがさらに大量にネットワーク経由でクラウドに保存されるでしょう。

医療機器

医療機関で従来から使用されている医療機器は、長らく、正しく機能するために複雑な電子機器とソフトウェアに依存してきました。人口の高齢化が進み、社会的要因によって在宅医療が推進されるにつれて、コンシューマーグレードの新しい医療機器が登場しています。血糖値のモニタリングや血圧測定から体脂肪測定まで、ますます高度なモニタリングおよび診断が実行されるようになってきました。その結果、医療機器分野は、競争の前提として技術革新、コスト管理、知財管理が欠かせない量産製品市場になりました。

製薬企業などの既存の医療大手には知財管理のノウハウがあるとはいえ、家庭用医療機器分野への多角化を進めるにあたり、半導体ベースの電子機器やセンサー、MEMS などのなじみのない技術に向き合う必要があります。しかし、大半の医療機器メーカーとその OEM サプライヤーは、技術情報と特許侵害の調査に必要な解析作業によって、貴重な社内エンジニアリソースが忙殺されることは避けたいと考えています。

民生用電子機器

消費者市場は、2024 年までに 1 兆 5,000 億ドルの収益に達する見通しです。IoT の導入に自動化およびスマート電子機器の導入傾向があいまって、コネクテッドデバイスを購入する消費者は指数関数的に増加しています。テックインサイツは、最大規模の民生用電子機器市場を積極的に探索することで、以下のような知見を得ています。

DRAM メモリー

DRAM (Dynamic Random-Access Memory) 業界の主な推進要因は、かつては PC でした。しかし現在は、はるかに多様な製品によってこの分野の技術革新が推進されています。より高性能なデバイスを求めて留まることを知らないニーズにより、高性能なプロセッサ、半導体、チップセットの供給も増加しています。スマートフォン、タブレット、データセンター、車載用アプリケーション、拡大を続ける IoT、さらには AI や機械学習向けの高帯域幅メモリーの需要が、記録的な業界の収益を支えています。

DRAM は、2018 年から 2023 年 にかけて 28.70% の CAGR (年平均成長率) を達成する見通しです。韓国、台湾、日本、中国における製造の成功により、アジアは傑出した DRAM 市場として位置付けられました。